けんちー

サッカーは人生の縮図。

【マンチェスターダービー】プレミアリーグ第29節 マンチェスター・U vs マンチェスター・C ~伝統の一戦~

f:id:kenchiii:20200309120422j:plain


初めて両雄が激突してから100年以上も経っている歴史ある伝統の一戦。今シーズンのカップ戦、リーグ戦を合わせると3度対戦しており、両チームともホームで敗れておりユナイテッドが2勝1敗と勝ち越している。今回はオールド・トラフォードで行われる。つまらない試合になるわけがないだろう。

 

スタメン

マンチェスター・ユナイテッド

f:id:kenchiii:20200309133703p:plain

3-4-1-2



前回のリーグ戦と同様、3バックで挑む。ワン・ビサカはスターリングを再び完封するのか。ボールを支配する相手にはとても強いユナイテッド。今回もジェームズ、マルシャルを生かしたスピードのあるショートカウンターや、B・フェルナンデスのキックを生かした組み立て、キャプテンのマグワイアロングフィード。昨夏と今冬の補強でさまざまのオプションが増えている。高さにもシティより部があるだろう。デ・ヘアの不調が気になるところだが…。

マンチェスター・シティ

f:id:kenchiii:20200309130613p:plain

4-3-3

最近調子のいいマフレズとジェズスではなく、ここぞの場面で点を決めてくれるエースアグエロ。直近のカラバオ決勝でMOMにも輝いた2000年生まれの19歳フォーデン。この二人を起用してきた。特にフォーデンの評価は著しく上がっており、期待も当然でかいだろう。SBもカンセロとジンチェンコを使ってきた。ジンチェンコとカンセロは繋ぎも非常に丁寧であるため、後ろからしっかり組み立てて自分たちも時間を長くするのが狙いだろう。デブライネを欠いているのがシティとしては痛いがギュンドアン、ベルナルド、ロドリでも決定的な仕事は十分できる。

試合分析

ユナイテッドの守備

f:id:kenchiii:20200309194140j:plain

あれだけの時間ボールを持たれ、リーグで一番点を挙げているシティから奪ったクリーンシートは非常に高く評価できる。マグワイア、ワン・ビサカ。もちろんこの2選手だけのおかげではないが、2人の加入はとても大きい。

ワン・ビサカの走力

f:id:kenchiii:20200309194858j:plain

前回対戦もスターリングを完封したワン・ビサカ。今節も存在感しかなかった。スターリングとの1対1も互角以上の戦いを繰り広げ、スプリント勝負でも全く引けを取らなかった。さらに交代で入ったメンディへの守備対応もほぼ完璧に抑えたと言っていいだろう。守備だけでなく攻撃面でもサイド突破、特に前半の二人の間を抜けたダブルタッチは鳥肌が立った。走力、技術、高さ、若さ。これほど恐ろしいSBがいるだろうか。そしてイングランド代表のRSBは何人いるのか。(アーノルド、ウォーカー、トリッピアー)ぱっと考えただけでこの数。恐ろしい。

ルーク・ショーの嫌な立ち位置

f:id:kenchiii:20200309201740p:plain

フェルナンジーニョのボール保持時、18番(B・フェルナンデス)がGKへのパスコースを切っていて、27番(カンセロ)のパスコースも53番(ウィリアムズ)にマークにつかれているため出しづらい。よってパスコースはフォーデンの裏かベルナルド・シルバの足元の二択になる。しかしルーク・ショーはあえてベルナルド・シルバへのパスコースを開け、出させる。そのタイミングでショーが猛スピードでプレスをかけて前を向かせず困らすというシーンが多く見られた。一見簡単そうに見えるシーンだが、ユナイテッドは3バックであるため前に出ることにためらいがある。しかしショーはSBの経験からか勇気を持って前に出ることによりかなり多くの芽を摘んでいた。この縦パスが通り、前を向かせてしまうと中盤の裏をとられる形になるので何気ないシーンに見えるが、相当な数のチャンスを潰していた。

ボールはもてるのに…

ラストパサーの不在

f:id:kenchiii:20200309203638j:plain

引いて守ってくるチームに今シーズン特に苦しめられている。そういう試合でなかなか点が取れず、カウンターで失点。この負け方が多く勝ち点の取りこぼしが多い。そんななか引いてくる相手に対しても自分からボールを引き出すことも出来る。縦への推進力もある。そして決定的なパスを出せるような選手の不在が非常に響いた。デブライネやダビド・シルバは常にいやらしいポジションで顔を出し、そこ!?というようなボールを出せる。これは相手が引いていようが関係ない。彼らは決定的なパスが出せる。しかしこの試合では雑なセンタリングも目立ち、マグワイアに何度も跳ね返された。ラストパスの質でこれほどまで試合は変わるんだなと勉強させてもらった試合でした。

ペップシティ

f:id:kenchiii:20200309213243p:plain

フェルナンジーニョからカンセロと繋ぎ、中盤につけて逆サイドに持っていくか、そのまま縦に流すのがセオリー通りなのかもしれない。しかしペップのサッカーは逆SB(この場合はジンチェンコ)が本来なら白の円あたりにいるところだが、ボランチの位置までななめに動きだし、組み立てを行うのがペップのセオリーである。この試合では前から激しいプレスが来ていたため非常にジンチェンコのポジショニングが重要であった。上手くかいくぐれてたシーンも見られていたため、70%ほどの支配率が得られたのではないかと考えている。

個人的MOM

ブルーノ・フェルナンデス

f:id:kenchiii:20200309191920j:plain

 

試合終盤にお役御免で交代したB・フェルナンデス。GKまで追い続ける守備、自陣まで戻る守備、裏に抜け出す動き、セットプレー(キック)の質。彼が試合を動かしたと言っても過言ではないだろう。この選手がユナイテッドに加わってから劇的によくなっている。ユナイテッドのようなトップレベルのチームで冬加入でこれほどフィットするのは簡単ではないはずだ。他にもワン・ビサカやD・ジェームズなどMOM級の選手が多くいたが、基本的にはブルーノ・フェルナンデスから守備が始まっており、この試合のカギを握ったのは前線からの守備だと感じたからだ。

感想

 非常に高いインテンシティで序盤から終盤まで集中を切らさなかったユナイテッドの勝利。シティファンの自分としてはとても悔しいが、勉強できる部分が多くあった。解説の戸田さんもおっしゃっていたが、ここまでのビッグクラブがあれだけ相手にボールを持たれながらもフラストレーションを溜めずに戦えることに感心をした。ユナイテッドは自分たちの時間が増えるゲームでの崩し方やゲームコントロールができるようになれば化けるのは時間の問題だろう。シティは70%以上の保持率で一点も取れないのは課題である。決定的なパス、打開する個の力など個人能力を高めていきたい。そうすればよりチームとしての完成度も高まるだろう。